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トヨタ自動車が在宅勤務制度の拡充を検討、育児中社員以外も週1日2時間出社でOK

トヨタ自動車は、10月下旬、一定の勤務年数を経た事務系と技術系の社員を対象に、終日の在宅勤務制度を拡充する方向で、労働組合に対し在宅勤務に関する新制度を提案しました。提案によると、在宅勤務制度を利用するには上司の了承が必要となりますが、週1日2時間のみ出社すれば足り、それ以外は、終日自宅で仕事をすることができるとのことです。
トヨタ自動車は、4月から、1歳未満の子どもを持つ従業員に限って在宅勤務を認めていましたが、今後さらに対象を拡大することになります。働き方の選択肢を広げることで、優秀な人材を確保するとともに、生産性の向上を図ることに狙いがあるということです。

在宅勤務制度は労働条件の変更に該当するため、同制度の導入にあたっては、就業規則の変更等が必要になります。また、在宅勤務であっても労働時間を適正に管理しなければなりませんし、情報通信機器の整備等環境を構築しなければならないなど多くの課題があります。

そのため、終日在宅勤務を導入する大手企業は、今のところ、日産自動車やNTTデータ、損保ジャパン日本興亜、リクルートホールディングなどに限られています。もっとも、政府は、週1日以上の終日在宅勤務をする人の割合を2020年までに10%に増やすという目標を掲げています。今後、在宅勤務制度を導入する企業は増えていく可能性があります。…


来年4月施行の「女性活躍推進法」、300万人就業を目指す「基本方針」決定

平成27年8月28日、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が成立し、9月25日、政府は、同法に基づき、企業が女性登用を進める際の基本的な考え方となる「基本方針」を閣議決定しました。

基本方針は、働きたいのに育児や介護等を理由に働くことのできない約300万人の就業実現を目指し、出産や育児を機に退職した女性の経験者採用や再雇用など女性の積極採用を求めることを主な柱としています。また、配偶者控除などの税制・社会保障制度の早期見直し等も盛り込むとともに、女性の活躍に関する取組の実施状況が優良な企業に対する認定制度も打ち出しました。

平成28年4月1日に施行される女性活躍推進法では、常時雇用する労働者の数が301人以上の事業主に対し、施行日までに、以下の準備をすることを求めています(300人以下の事業主は、努力目標です)。ここにいう労働者には、パートや契約社員であっても、1年以上継続して雇用されているなど、事実上期間の定めなく雇用されている労働者も含まれますので、注意が必要です。

(1)自社の女性の活躍状況の把握・課題分析

自社の女性の活躍状況(①採用者に占める女性比率、②勤続年数の男女差、③労働時間の状況、④管理職に占める女性比率)を把握し、課題分析を行う必要があります。

(2)行動計画の策定・届出、社内通知、公表

(1)の結果を踏まえ、女性の活躍推進に向けた①行動計画の策定、②都道府県労働局への届出、③労働者への周知、④外部への公表を行う必要があります。①行動計画には、(a)計画期間、(b)数値目標、(c)取組内容、(d)取組の実施時期を盛り込むことが必要です。

(3)情報公表

自社の女性の活躍に関する情報を公表する必要があります。…


改正労働者派遣法が成立、9月30日に施行へ

平成27年9月11日、改正労働者派遣法が衆院本会議で可決されて成立しました。
最初に国会に提出されたのは平成26年3月でしたが、その後2回の廃案を経て、ようやく今回成立したものです。

主な改正内容は以下のとおりです。

1 労働者派遣事業が許可制に一本化
改正前は、一般労働者派遣事業は許可制、特定労働者派遣事業は届出制と区別されていましたが、本改正によって、すべての労働者派遣事業が許可制となります。

2 期間制限のルール変更
改正前は、いわゆる26業務以外の業務に対して原則1年(最長3年)の期間制限がされていましたが、本改正によって、全ての業務に対して、原則3年の期間制限(派遣先事業所単位と派遣労働者個人単位)がされることになります。

3 派遣労働者の雇用の安定とキャリアアップ
派遣元には、派遣労働者の雇用安定措置を講じる義務(1年以上3年未満の派遣の場合には努力義務)や、派遣労働者の伽リアップを図るための教育訓練等を実施する義務が課されます。
また、派遣先には、一定の場合に派遣労働者を雇い入れる努力義務や、募集情報提供義務などが課されます。

その他の改正内容については、厚生労働省のホームページで説明されていますので、ご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386.html

改正労働者派遣法の施行は平成27年9月30日とされており、あまり余裕がありません。
現在、必要な政省令の整備も急ピッチで行われていますが、事業者の皆様も、情報収集と対応を至急行う必要があります。…


KDDI、退社してから出社するまで11時間あける制度を全社員に対して実施

平成27年7月4日付の日本経済新聞の報道で、KDDIが、労働日と労働日の間の退社から次の出社までの時間について一定時間を必ずあける仕組みを導入したことが明らかになりました。

同報道によると、対象は全社員とされ、11時間あけることという制度である模様で、就業規則を改定して、勤務間のインターバルを規定するなどの方法によって導入がされている模様です。

労働基準法の労働時間規制は、総労働時間に着目している内容であり、しかも36協定を締結の上、割増賃金を支払えば、実質的に労働時間の上限は極めて高くなってしまうのが日本の法制度となっています。

しかし、ヨーロッパでは、このような立法技術とは異なった発想に立って、労働時間と労働時間の間に一定の時間を空けることを求めるというタイプの規制が存在します。

現在、労働基準法の改正案が国会に提出されていますが、ホワイトカラーエグゼンプションが内容に含まれていますが、この改正案の検討の過程において、労働時間が過大にならないようにするための仕組みも検討されており、その前提の調査研究としてヨーロッパの各種法制度も対象となっていました。

結果的に改正案には取り入られませんでしたが、今回のKDDIの取り組みは、諸外国の立法例を社内制度として実現する仕組みといえ、大変先進的な取り組みといえそうです。…


平成27年4月1日から改正パートタイム労働法施行

以前よりお伝えしている改正パートタイム労働法が、平成27年4月1日から施行されました。改正のポイントは以下のとおりです。改正法では、厚生労働大臣の勧告に従わない事業主名の公表や虚偽の報告などをした事業主に対する過料等の規定も新設されています。パートタイム労働者を雇用している企業では、法改正に応じた実務対応が急務といえるでしょう。

1.正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の拡大

従前、正社員と正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者は

①職務内容が正社員と同一であること

②人材活用の仕組みが正社員と同一であること

③無期労働契約を締結していること

とされていましたが、改正後は、①②にさえ該当すれば、正社員との差別的取り扱いが禁止されるようになりました。すなわち、有期労働契約を締結しているパートタイム労働者であっても、職務内容や人材活用の仕組み(人事異動の有無やその範囲等)が正社員と同じであれば、各種手当等を含む賃金、福利厚生施設の利用、教育訓練等全ての待遇について、正社員と同様に取り扱わなければなりません。

2.「短時間労働者の待遇の原則」の新設

事業主が、雇用するパートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとする、広く全ての短時間労働者を対象とした待遇の原則の規定が創設されました。

3.パートタイム労働者雇入れ時の事業主による説明義務の新設

事業主は、パートタイム労働者を雇い入れたとき、また、パートタイム労働者から説明を求められた場合に、実施する雇用管理の改善措置の内容について、パートタイム労働者が理解できるよう説明しなければなりません。具体的には、賃金制度、教育訓練、福利厚生施設の利用、正社員転換推進措置の内容等について説明する必要があり、パートタイム労働者から説明を求められた場合には、どの要素をどう勘案して賃金を決定したか、どの教育訓練や福利厚生施設がなぜ使えるのか、なぜ使えないのか、正社員への転換推進措置の決定あたり何を考慮したか等について、説明しなければなりません。

4.パートタイム労働者からの相談に対応するための体制整備の義務の新設

事業主は、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければなりません。

また、パートタイム労働者を雇い入れたときに、事業主が文書の交付などにより明示しなければならない事項に「相談窓口」が追加されました。具体的には、労働条件通知書に相談担当者の氏名、相談担当の役職、相談担当部署等を記載することになります。なお、相談を受ける体制が整っておりそこに連絡すれば相談に乗ってもらえることが要求されていますので、相談担当者の名前まで記載しなくても、部署名等を記載すれば足りるものと解されます。…