Tag ‘パートタイム労働法’

改正パートタイム労働法が成立

従前からお伝えしているパートタイム労働法の改正が、16日に参議院本会議で可決成立しました。

短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案:参議院

 


大分地裁,正社員と業務が同じであるとして,会社にパート社員に正社員の賞与との差額等を,不法行為の損害賠償として支払うように命じる

非正規雇用であり,パートタイム労働法の対象となる準社員が,正社員と同じ業務をしているとして,正社員と同じ賞与などの支払いなどを求めたところ,正社員の賞与との差額分の約160万円を不法行為に基づく損害賠償として支払いを命じるなど,請求の一部を認容する判決が大分地裁で出ました(大分地裁平成25年12月10日判決)。

パートタイム労働法では正社員と同じパートタイム労働者との間で差別禁止が定められています(パートタイム労働法8条)。

この反すると,当該違反している法律行為は無効となるわけですが,その代わりのどのような労働条件になるのかは微妙な問題です。

実際のところ,正社員の労働条件で代替されると解するためには,労基法13条のような規定がある必要がありますので,そのような規定をパートタイム労働法では欠いている以上,労働条件が代替されると解することはでいないと考えられます。しかし,このパートタイム労働法8条のような私法上の強行規定違反は不法行為を構成することは見解が一致していますので,その損害賠償の損害額の根拠として正社員との差額で計算して賠償を命じたという判断になっています。

正社員と同じ業務をしているパートタイム労働者となると,正社員との賃金の差額を賠償する結論となるという点に注意が必要である点に注意喚起をさせていただきます。


<人事・労務管理に関するお問い合わせ>

松田綜合法律事務所 労務プラクティス担当
〒100-0004
東京都千代田区大手町二丁目6番1号 朝日生命大手町ビル7階
電話:03-3272-0101 FAX:03-3272-0102
URL:http://www.jmatsuda-law.com


厚生労働省 パートタイム労働法の改正を検討

厚生労働省が,パートタイム労働法を改正して,有期雇用のパートタイム労働者で正社員と同様の者については,同待遇とする検討をしていることが報道で明らかになりました。次の通常国会に提出予定とされています。

現在のパートタイム労働法では,無期や無期と同視できるパートタイマーの差別禁止を定めています。

【パート労働者の態様】正社員と比較して、 賃   金 教育訓練 福利厚生
職務関連賃金
・基本給
・賞与
・役付手当等
左以外の賃金
・退職手当
・家族手当
・通勤手当等
職務遂行に必要な能力を付与するもの 左以外のもの(ステップアップを目的とするもの) 健康の保持又は業務の円滑な遂行に資する施設の利用 左以外のもの(慶弔休暇、社宅の貸与等)
職務(仕事の内容及び責任) 人材活用の仕組み(人事異動の有無及び範囲) 契約期間
[1] 正社員と同視すべきパート
同じ 全雇用期間を通じて同じ 無期or反復更新により無期と同じ
[2] 正社員と職務と人材活用の仕組みが同じパート