法改正

改正パートタイム労働法が成立

従前からお伝えしているパートタイム労働法の改正が、16日に参議院本会議で可決成立しました。

短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案:参議院

 


有期雇用の無期転換制度の例外は,専門的知識を有する労働者と高齢者の継続雇用の場合に限定される内容で特別法制定へ

労働政策審議会建議「有期労働契約の無期転換ルールの特例等について」を公表します(厚生労働省発表) | 労務アップデート|人事・労務管理に関する総合情報サイト」の解説記事をお送りします。

規制緩和の一環で検討されていた有期雇用の無期転換ルールの例外について,法律案の要綱が厚生労働大臣から労働政策審議会に諮問され,おおむね妥当との答申がなされました。

これまでの流れについて簡単にまとめますと以下の通りです。

まず,2月14日に労働政策審議会から,高収入かつ高度な専門的労働者と高齢者の継続雇用についてだけ労働契約法の無期転換制度の例外とする内容で建議がなされました。

労働政策審議会建議「有期労働契約の無期転換ルールの特例等について」を公表します |報道発表資料|厚生労働省

例外扱いは,一律ではなく,高度な専門的知識等を有する労働者と,高齢者の継続雇用では異なることになりました。

  • 「一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術または経験を有する有期契約労働者」
    上限10年
  • 「定年後に同一の事業主またはこの事業主と一体となって高齢者の雇用の機会を確保する事業主(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律における「特殊関係事業主」)に引き続いて雇用される高齢者」
    通算期間に算入されない

この建議についてそのままの内容で法律案要綱が諮問され,おおむね妥当と答申されました。

「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法案要綱」の諮問と答申 |報道発表資料|厚生労働省

この結果,今国会に特別措置法が提出され平成27年4月の施行を目指すとされています。

上記の専門的労働者については,さらに年収の要件などが厚生労働省令で定められることになります。

 

平成25年4月から施行されている高齢者雇用安定法に基づく65歳までの雇用義務に対する対応として,いったん退職してから継続雇用制度に基づいて再雇用した場合には,嘱託などの名称で有期雇用を用意している例が多くなっていますが,その場合に5年を超えて雇用してしまった場合に無期転換してしまうことは起きないように手当がされることになりました。

この法改正ですが,特別措置法の制定という形になり,労働契約法そのものはそのままということになります。…


厚生労働省労働政策審議会,新しい派遣の期間制限を建議。無制限に派遣労働者を受け入れることも可能に

労働政策審議会建議 -労働者派遣制度の改正について-(厚生労働省発表) | 労務アップデート|人事・労務管理に関する総合情報サイトの解説記事です。

1月29日に発表された厚生労働省労働政策審議会の労働者派遣制度の改正に関する建議は,大変大きな制度変更を含んでおり,規制緩和に大きく舵を切るものとなっています。

多岐にわたる建議の内容のうち,特に重要と思われる新しい期間制限の仕組みについて簡単に解説します。

新しい派遣労働者の期間制限の要素をまとめると下記のようになります。

  1. 26業務などの業務単位ごとの期間制限は撤廃
  2. 派遣労働者ごとに同一の組織単位に派遣できる期限は3年
  3. 派遣先では,3年を超えて継続して派遣労働者を受け入れてはいけない
  4. ただし,過半数組合等から意見聴取を行えばさらに3年延長して受け入れ可能
  5. 過半数組合等から是正すべきとの意見が出された場合には対応方針を検討して説明する
  6. 2から5については,無期雇用の派遣労働者,60歳以上の高齢者,現行制度で期間制限から外されている業務は,適用対象から除外

今後,この建議に基づいて労働者派遣法改正案が作成され,今国会に提出される運びとなるものと思われます。…


厚生労働省 パートタイム労働法の改正を検討

厚生労働省が,パートタイム労働法を改正して,有期雇用のパートタイム労働者で正社員と同様の者については,同待遇とする検討をしていることが報道で明らかになりました。次の通常国会に提出予定とされています。

現在のパートタイム労働法では,無期や無期と同視できるパートタイマーの差別禁止を定めています。

【パート労働者の態様】正社員と比較して、 賃   金 教育訓練 福利厚生
職務関連賃金
・基本給
・賞与
・役付手当等
左以外の賃金
・退職手当
・家族手当
・通勤手当等
職務遂行に必要な能力を付与するもの 左以外のもの(ステップアップを目的とするもの) 健康の保持又は業務の円滑な遂行に資する施設の利用 左以外のもの(慶弔休暇、社宅の貸与等)
職務(仕事の内容及び責任) 人材活用の仕組み(人事異動の有無及び範囲) 契約期間
[1] 正社員と同視すべきパート
同じ 全雇用期間を通じて同じ 無期or反復更新により無期と同じ
[2] 正社員と職務と人材活用の仕組みが同じパート